製麹(せいきく)について
焼酎を造る要ともいうべき、麹造りのことを製麹(せいきく)と言います。
なぜ麹造りが要かというと、麹は主原料に含まれるでんぷんを糖に変える作用を持つ酵素(糖化酵素)を生み出します。これにより酵母がアルコール発酵を行うために必要となる糖の準備をします。また同時に麹はクエン酸を生み出し酵母が純粋に増えていくことを手伝います。
さらに白麹、黒麹などの中からどの麹を使うかによって,出来上がる焼酎のもつ風味や香りが大きく特徴づけられます。
麹の培養はアルコール発酵の準備段階、いわば「焼酎のはじまり」の作業なのです。
この作業は朝の7時~8時から始まります。
蔵の中心で存在感を放っているのが写真のドラムです。このドラムに米を入れ、
- 米を洗う
- 水を吸収させる
- 蒸気、熱を加えて蒸す
- 麹を加え培養する
という一連の作業をします。
ドラムで麹を培養
- 1.ドラムに米を入れ、洗米、浸漬します。
- 米はコシヒカリ、山田錦を商品の種類に応じて使用しています。
- 2.浸漬した米を蒸しあげ、体温よりやや高い温度(42℃)まで冷ましたあとに種麹をかけます。
- その後さらに体温程度(35~36℃)まで冷まします。自然の温度上昇で37~38.5℃となり、この状態で一晩このドラムの中で培養を続けます。
水分と適度な熱、そして米(でんぷん)という栄養分を得て、麹菌はこの中で急激に増殖します。 - 3.出来上がった麹を冷まし、さらに一晩おいて麹菌を定着させます。
- そして次の日、タンクで一晩置いた後の米を、今度は図8の三角棚という名前の装置で麹菌を培養していきます。三角棚に蒸し上がった米を均一に広げることで、米の水分蒸発を促進しつつ、麹菌の増殖を一定にさせます。
この状態まできたら、いよいよ一次仕込に入ります。